こんにちは!柴田建築企画です。
今回は、新築やリフォームをご検討中の方に向けて、日本の伝統的な床材である「畳」にスポットを当て、その魅力と選び方についてご紹介します。
畳と一口に言っても、素材や機能によって様々な種類があり、それぞれに特徴があります。理想の空間を実現するために最適な畳を選びましょう!
イ草、樹脂、和紙、薄畳の特徴
畳は、大きく分けて イ草畳、樹脂畳、和紙畳 の3種類があります。
近年では、マンションなどにも取り入れやすい 薄畳 も人気を集めています。それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
自然素材の心地よさ!イ草畳
特徴
素材:畳表がイ草
香り:天然素材ならではの香りでリラックス効果がある
調湿効果:吸湿性・放湿効果がある
弾力性:適度な弾力性があり、お年寄りや小さなお子様にも優しいクッション性がある

出典:田邉畳店
メリット
・自然素材ならではの温かみと風合い
・吸湿性・放湿性に優れ、ジメジメした梅雨の時期や寒い乾燥の季節の湿度を調節し、快適な空間を保ちます
・イ草の香りがリラックス効果をもたらします
・空気清浄効果があります
デメリット
・水分に弱くシミになる場合があります
・ダニやカビが発生しやすい(裏返し等の定期的なメンテナンスが必要)
・日焼けによる変色がおきやすい
・摩擦に弱く、重い家具の跡がつきやすい
・他の素材に比べて表替えの時期が早い
高機能でメンテナンス性抜群!樹脂畳
特徴
素材:畳表がポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂
耐久性:耐久性は高いが、熱には弱い
メンテナンス性:水拭きが可能で、お手入れが簡単
デザイン:カラーバリエーションが豊富

出典:田邉畳店
メリット
・耐久性、耐水性に優れている
・ダニやカビが発生しにくい
・豊富なカラーバリエーションで、様々な空間に調和します
・色あせしにくい
デメリット
・イ草のような自然な風合いや香りはない
・熱に弱いので直射日光が長く当たる場所や、近くでの熱源使用には注意が必要
・季節によっては静電気を帯びやすい
・冬場は冷たいと感じる場合がある
・調湿性が無いので夏はべたつく感じがある
・紫外線の影響を受けやすい(表面の毛羽立ち)
デザイン性と機能性を両立!和紙畳
特徴
素材:畳表が和紙(こより状にして樹脂でコーティング)
耐久性:イ草と比べると耐久性は高い
撥水性:水をはじきやすく、汚れにくい
デザイン:カラーバリエーションが豊富で、デザイン性が高い

出典:田邉畳店
メリット
・イ草に比べて耐久性が高い
・撥水性があり汚れにくい、水拭き可
・ダニやカビが発生しにくい
・豊富なカラーバリエーションで、個性的な空間を演出します
・日焼けしにくい
・アレルギー体質の方にも安心
デメリット
・イ草のような自然な風合いや香りがない
・質感は若干固め
・樹脂畳に比べると傷つきやすく、跡がつくと元に戻りづらい
・調湿性が無いので夏は若干べたつく感じがある
・価格が高い傾向にある
現代の暮らしに調和する畳!薄畳/置き畳
特徴
厚さ:15mm~30mm程度の薄い畳
用途:フローリングの上に置き畳として使用
デザイン:イ草、和紙、樹脂など様々な素材がある
耐久性:低い

メリット
・手軽に和の空間を取り入れられる
・フローリングの部屋にも設置可能
・床暖房に対応しているタイプもある
・薄くて軽いので収納や移動が簡単
・豊富なデザインから選べる
デメリット
・イ草畳に比べてクッション性が低い
・厚みがないため、断熱性や遮音性は低い
・軽いのでズレやすい(すべり止め加工がされたものもある)
・価格が高い傾向にある
最近の和室トレンド
従来の和室は客間として使われる事が多かったですが、最近はライフスタイルに合わせた空間として活用されるようになっています。
モダンなデザイン:縁なし畳などのシンプルなデザインの畳を使用し、壁の色や照明にもこだわった和室もみられます。
リビングとの調和:リビングの一角に小上がり和室のスペースを設け、段差を利用して収納スペースも確保し、腰掛けとして利用するのも人気です。
多様なカラーコーディネート:畳の色やデザインを自由に選び、個性的な空間を演出するのも人気です。
高機能畳の採用:ダニ・カビ対策、アレルギー対策など、機能性に優れた畳を選ぶ人が増えています。
テレワークスペース:畳スペースをテレワークの場所として活用するニーズも高まっています。
まとめ
畳は、素材やデザインによって様々な表情を見せてくれます。
新築やリフォームの際には、それぞれの特徴を理解し、ご自身のライフスタイルや好みに合わせて最適な畳を選びましょう。
特にご自分で薄畳を設置する際には、ドアやクローゼットの扉がスムーズに開閉できる厚さ…の確認を忘れないようにしましょう!
そして最後に、人気の琉球畳について
本来の琉球畳は、沖縄(琉球)で栽培される「七島イ草(しちとうイグサ)」というカヤツリグサ科の植物を原料にした畳表(たたみおもて)を使った畳のことです。
一般的なイ草に比べて断面が三角形で太く、非常に丈夫で耐久性が高いのが特徴です。その希少性から高価な畳として知られています。もう一つの琉球畳の特徴として、
縁(へり)のない正方形(半畳)の畳をイメージされる方も多いと思います。

そのデザイン性の人気から、現在は正方形で縁のない畳であれば「琉球畳」として扱われることも多くなっています。素材は本来の七島イ草だけでなく、一般的なイ草や樹脂、和紙など様々な素材が使われています。
本物の琉球畳が欲しい方は、購入する際に確認することをおすすめします。
柴田建築企画では、お客様の希望や好みに合わせた最適な和の空間をご提案させていただきます。
今後とも、柴田建築企画をよろしくお願いいたします。