
「マイホームに憧れのビルトインガレージ! でも内装はどうすればいいの?」
ビルトインガレージは、雨風や紫外線から愛車を保護できるだけでなく、趣味の空間や収納スペースとしても活用できる魅力的な空間ですよね。
しかし内装をどんな材料で仕上げてもいいというわけではありません。
ビルトインガレージの内装は、建築基準法の特定の条項で明確に規定されていないのですが、自動車車庫は特殊建築物にとして扱われるため住宅の一部だとしても特殊建築物として内装制限を受けることになります(建築基準法施行令第128条の4第1項2号)。
ガレージは可燃性の高い自動車やガソリンなどを保管する場所ですから、火災が発生した場合、延焼を防ぎ、避難時間を確保するために、内装材の燃えにくさや防火性能(準不燃材料以上)が求められるので地域の条例や建築指導要綱などを確認する必要があります。
ビルトインガレージの内装:よくある誤解と落とし穴

ビルトインガレージの内装では、以下のような誤解や落とし穴があります。
「合板で仕上げればOK」は間違い!: 多くの人がイメージする「木目調のガレージ」を実現するために、安価な合板を使用したいと考えるかもしれません。
しかし、建築基準法では、合板は燃えやすい材料として、ビルトインガレージの内装には使用できません。
「物置として申請すればOK」はグレーゾーン!: 合板で仕上げるために、建築確認申請の際に「物置」や「倉庫」として申請するケースがあります。
しかし、これは法律的にグレーゾーンであり、火災が発生した場合、責任問題に発展する可能性があります。
このため、合板仕上げを選ぶ場合、物置や倉庫としての用途に申請することが一般的です。
つまり、ビルトインガレージとしての使用ではなく、他の用途として登録することで、基準をクリアする形になるのです。
しかし、これは適切な構造や用途を提供するものではなく、法的リスクを伴う可能性がありますので、十分な注意が必要です。
ビルトインガレージの内装を設計する際には、法令を遵守した上で、安全で快適な空間を作るための選択肢を考慮する必要があります。具体的には、以下のような素材や仕上げが推奨されます。
セメント系サイディングボード:ビルトインガレージの内装を防火サイディング張りにするメリットは、高い防火性能を持ち、火災リスクを抑えることができる点です。
また、耐久性があり、メンテナンスが少なくて済むため、長期的に見てコストパフォーマンスが良好です。
デメリットは、初期費用が高めで、施工が複雑な場合があるため、その分工期がかかることです。
また、デザインの選択肢がクロス張りに比べて制限されることもあります。しかし、安全性を重視する場合には非常に有効な選択肢です。
金属パネル:ビルトインガレージの内装に金属パネルを張るメリットは、耐久性と耐水性に優れ、汚れや傷に強いことです。
また、防火性能も高く、ガレージの安全性を高めます。
さらに、デザイン性も高く、スタイリッシュな空間を作れます。デメリットとしては、コストが高い点が挙げられます。
金属パネル自体が高価なだけでなく、施工も専門知識が必要となるため、施工は難しいです。
しかし、長寿命でメンテナンスフリーなため、長期的なコストパフォーマンスは高いと言えます。
塗装仕上げ:ビルトインガレージの内装を塗装仕上げにするメリットは、コストパフォーマンスが高いことです。
DIYでも施工可能で、カラーバリエーションも豊富です。デメリットは耐久性が低く、傷や汚れが目立ちやすい点です。
定期的なメンテナンスが必要です。
コスト面では、材料費は安価ですが、下地処理が重要で、追加費用が発生する可能性があります。
クロス仕上げ:ビルトインガレージの内装をクロス貼りにするメリットは、デザイン性やカラーバリエーションが豊富で、個性的な空間を演出できる点です。
施工も比較的容易で、リフォームがしやすいのも魅力です。
しかし、デメリットとしては耐久性が低く、特に車の出入りや荷物の搬入で傷みやすいことが挙げられます。
また、湿気や汚れに弱く、定期的なメンテナンスが必要です。
コスト面では、クロス張りは初期費用が比較的リーズナブルですが、長期的にはメンテナンスや再施工にかかる費用が増える可能性があります。
まとめ

ビルトインガレージの内装壁に関しては、デザイン性と機能性を考えることが非常に重要です。
同時に、法律や建築基準法を遵守することも不可欠です。
内装に合板を使用した場合、法的な問題が生じるため、適切な素材選びが求められます。
今回あげた仕上材以外にもいろいろと選択肢はありますので、その中から居住空間の一部としても機能するビルトインガレージを作り上げていくためには慎重な計画が必要です。
自分自身のライフスタイルに合ったガレージ内装を考え、理想的な空間を実現しましょう。